御社殿(本殿・釣屋・拝殿) 江戸時代中期・寛延三年(一七五〇)再建。 本殿は三間社流造茅葺の壮大なもので、同形式の神社建築としては県下最大級のものです。毛利家による再建時の上棟札が残されており、拝殿の向拝中央などに毛利家の家紋「一文字に三星」が見られます。 出雲神社文書(山口県文書館に寄託) 室町時代末期から江戸時代の神社に関係する古文書群で、大 内義隆公の寄進状、毛利輝元公の掟書(神社でのきまりを書いたもの)などが伝えられています。 特殊神事 古代朝廷祭祀の流れを継ぐ、特殊な神事が残されています(七曲(なながまり)神事・蜷蒔(になまき)神事・千茅(ちがや)神事・誓能(せいのう)神事・七十五膳大献供(しちじゅうごぜんだいけんぐ)神事など。秋の例大祭で挙行されます。)。 出雲神社社叢のツルマンリョウ ツルマンリョウは赤い実をつけるヤブコウジ科の植物で、国内数か所にのみ生息するという希少な植物です。国指定の天然記念物に指定(昭和32年2月22日指定)されています。(※山中に自生しますが、保護のため立ち入りはご遠慮ください。) 当社の周りの森はコジイを主とするうっそうとした森林をなしています。林内には、イチイガシの大木ほか、タカサゴキジノオ、ナガバジュズネノキ、ルリミノキなど珍しい植物があります。社殿の西にある小高い丘の北側急斜面に数か所ツルマンリョウ(ツルアカミノキ)の小群落があります。 ツルマンリョウは常緑小低木で、枝は地をはって伸び、枝の先端は60~70cmの高さに直立します。雌株と雄株の別があり、7月上旬に開花し、翌年5月から小房がふくらみはじめ、9月に紅色に熟します。自生地の環境条件は、適度の日照と花崗岩系の土壌に限られているようです。 南方系の植物で、九州の屋久島や台湾に産するが、本土では珍しく、この地のほかに奈良県と広島県、宇部市に自生しています。本地は自生の北限として貴重です。 |